事故発生の防止及び発生時の対応

○介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について
(平成一二年三月一七日 老企第四四号)


1.事故発生の防止のための指針

介護老人保健施設が整備する「事故発生の防止のための指針」には、次のような項目を盛り込むこととする。
 イ 施設における介護事故の防止に関する基本的考え方
 ロ 介護事故の防止のための委員会その他施設内の組織に関する事項
 ハ 介護事故の防止のための職員研修に関する基本方針
 ニ 施設内で発生した介護事故、介護事故には至らなかったが介護事故が発生しそうになった場合(ヒヤリ・ハット事例)及び現状を放置しておくと介護事故に結びつく可能性が高いもの(以下「介護事故等」という。)の報告方法等の介護に係る安全の確保を目的とした改善のための方策に関する基本方針
 ホ 介護事故等発生時の対応に関する基本方針
 ヘ 入所者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
 ト その他介護事故等の発生の防止の推進のために必要な基本方針

2.事実の報告及びその分析を通じた改善策の職員に対する周知徹底

 介護老人保健施設が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、介護事故等について、施設全体で情報共有し、今後の再発防止につなげるためのものであり、決して職員の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。
 具体的には、次のようなことを想定している。
 イ 介護事故等について報告するための様式を整備すること。
 ロ 介護職員その他の職員は、介護事故等の発生又は発見ごとにその状況、背景等を記録するとともに、イの様式に従い介護事故等について報告すること。
 ハ 3.の事故発生の防止のための委員会において、ロにより報告された事例を集計し、分析すること。
 ニ 事例の分析に当たっては、介護事故等の発生時の状況等を分析し、介護事故等の発生原因、結果等をとりまとめ、防止策を検討すること。
 ホ 報告された事例及び分析結果を職員に周知徹底すること。
 ヘ 防止策を講じた後に、その効果について評価すること。

3.事故発生の防止のための委員会

 介護老人保健施設における「事故発生の防止のための検討委員会」(以下「事故防止検討委員会」という。)は、介護事故発生の防止及び再発防止のための対策を検討する委員会であり、幅広い職種(例えば、施設長(管理者)、事務長、医師、看護職員、介護職員、生活相談員)により構成する。構成メンバーの責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の安全対策を担当する者を決めておくことが必要である。
 なお、事故防止検討委員会は、運営委員会など他の委員会と独立して設置・運営することが必要であるが、感染対策委員会については、関係する職種、取り扱う事項等が事故防止検討委員会と相互に関係が深いと認められることから、これと一体的に設置・運営することも差し支えない。事故防止検討委員会の責任者はケア全般の責任者であることが望ましい。
 また、事故防止検討委員会に施設外の安全対策の専門家を委員として積極的に活用することが望ましい。

4.事故発生の防止のための職員に対する研修

 介護職員その他の職員に対する事故発生の防止のための研修の内容としては、事故発生防止の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、介護老人保健施設における指針に基づき、安全管理の徹底を行うものとする。
 職員教育を組織的に徹底させていくためには、介護老人保健施設が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な教育(年2回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず事故発生の防止の研修を実施することが重要である。また、研修の実施内容についても記録することが必要である。研修の実施は、職員研修施設内での研修で差し支えない。

5.損害賠償

 介護老人保健施設は、賠償すべき事態となった場合には、速やかに賠償しなければならない。そのため、損害賠償保険に加入しておくか若しくは賠償資力を有することが望ましい。



  • 最終更新:2012-02-09 18:39:47

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード