介護老人保健施設 運営に関する基準(その2)

○介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準
(平成十一年三月三十一日厚生省令第四十号)
○介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について
(平成一二年三月一七日 老企第四四号)


第4章 運営に関する基準

(介護保健施設サービスの取扱方針)

第13条  介護老人保健施設は、施設サービス計画に基づき、入所者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を踏まえて、その者の療養を妥当適切に行わなければならない。
2  介護保健施設サービスは、施設サービス計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して行われなければならない。
3  介護老人保健施設の従業者は、介護保健施設サービスの提供に当たっては、懇切丁寧を旨とし、入所者又はその家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導又は説明を行わなければならない。
4  介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。
5  介護老人保健施設は、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。
当該記録は、介護老人保健施設の医師が診療録に記載し、2年間保存しなければならない。
6  介護老人保健施設は、自らその提供する介護保健施設サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(施設サービス計画の作成)

第14条  介護老人保健施設の管理者は、介護支援専門員に施設サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。
2  施設サービス計画に関する業務を担当する介護支援専門員(以下「計画担当介護支援専門員」という。)は、施設サービス計画の作成に当たっては、入所者の日常生活全般を支援する観点から、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて施設サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
3  計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、入所者について、その有する能力、その置かれている環境等の評価を通じて入所者が現に抱える問題点を明らかにし、入所者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握しなければならない。
当該課題分析は、介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによって行われてはならず、利用者の課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法を用いなければならないものであるが、この課題分析の方式については、別途通知するところによる。
  ①居宅サービス計画ガイドライン方式
  ②日本訪問看護振興財団方式
  ③日本社会福祉会方式
  ④日本介護福祉士会方式
  ⑤三団体ケアプラン策定研究会方式
  ⑥MDS-HC方式
4  計画担当介護支援専門員は、前項に規定する解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、入所者及びその家族に面接して行わなければならない。この場合において、計画担当介護支援専門員は、面接の趣旨を入所者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。
5  計画担当介護支援専門員は、入所者の希望、入所者についてのアセスメントの結果及び医師の治療の方針に基づき、入所者の家族の希望を勘案して、入所者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、介護保健施設サービスの目標及びその達成時期、介護保健施設サービスの内容、介護保健施設サービスを提供する上での留意事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。
6  計画担当介護支援専門員は、サービス担当者会議(入所者に対する介護保健施設サービスの提供に当たる他の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。)の開催、担当者に対する照会等により、当該施設サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。
7  計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の原案の内容について入所者又はその家族に対して説明し、文書により入所者の同意を得なければならない。
8  計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画を作成した際には、当該施設サービス計画を入所者に交付しなければならない。
9  計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成後、施設サービス計画の実施状況の把握(入所者についての継続的なアセスメントを含む。)を行い、必要に応じて施設サービス計画の変更を行うものとする。
10  計画担当介護支援専門員は、前項に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」という。)に当たっては、入所者及びその家族並びに担当者との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。
 一  定期的に入所者に面接すること。
 二  定期的にモニタリングの結果を記録すること。
11  計画担当介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により、施設サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。
 一  入所者が法第28条第2項に規定する要介護更新認定を受けた場合
 二  入所者が法第29条第1項に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合
12  第2項から第8項までの規定は、第9項に規定する施設サービス計画の変更について準用する。

(診療の方針)

第15条  医師の診療の方針は、次に掲げるところによるものとする。
一  診療は、一般に医師として必要性があると認められる疾病又は負傷に対して、的確な診断を基とし、療養上妥当適切に行う。
二  診療に当たっては、常に医学の立場を堅持して、入所者の心身の状況を観察し、要介護者の心理が健康に及ぼす影響を十分配慮して、心理的な効果をもあげることができるよう適切な指導を行う。
三  常に入所者の病状、心身の状況及びその置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、適切な指導を行う。
四  検査、投薬、注射、処置等は、入所者の病状に照らして妥当適切に行う。
五  特殊な療法又は新しい療法等については、別に厚生労働大臣が定めるもののほか行ってはならない。
六  別に厚生労働大臣が定める医薬品以外の医薬品を入所者に施用し、又は処方してはならない。

(必要な医療の提供が困難な場合等の措置等)

第16条  介護老人保健施設の医師は、入所者の病状からみて当該介護老人保健施設において自ら必要な医療を提供することが困難であると認めたときは、協力病院その他適当な病院若しくは診療所への入院のための措置を講じ、又は他の医師の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。
2  介護老人保健施設の医師は、不必要に入所者のために往診を求め、又は入所者を病院若しくは診療所に通院させてはならない。
3  介護老人保健施設の医師は、入所者のために往診を求め、又は入所者を病院若しくは診療所に通院させる場合には、当該病院又は診療所の医師又は歯科医師に対し、当該入所者の診療状況に関する情報の提供を行わなければならない。
4  介護老人保健施設の医師は、入所者が往診を受けた医師若しくは歯科医師又は入所者が通院した病院若しくは診療所の医師若しくは歯科医師から当該入所者の療養上必要な情報の提供を受けるものとし、その情報により適切な診療を行わなければならない。

(機能訓練)

第17条  介護老人保健施設は、入所者の心身の諸機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるため、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを計画的に行わなければならない。
機能訓練は入所者1人について、少なくとも週2回程度行うこと。

(看護及び医学的管理の下における介護)

第18条  看護及び医学的管理の下における介護は、入所者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、入所者の病状及び心身の状況に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。
2  介護老人保健施設は、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。
3  介護老人保健施設は、入所者の病状及び心身の状況に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。
4  介護老人保健施設は、おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替えなければならない。
5  介護老人保健施設は、褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。
例えば、次のようなことが考えられる。
[1] 当該施設における褥瘡のハイリスク者(日常生活自立度が低い入所者等)に対し、褥瘡予防のための計画の作成、実践並びに評価をする。
[2] 当該施設において、専任の施設内褥瘡予防対策を担当する者(看護師が望ましい。)を決めておく。
[3] 医師、看護職員、介護職員、栄養士等からなる褥瘡対策チームを設置する。
[4] 当該施設における褥瘡対策のための指針を整備する。
[5] 介護職員等に対し、褥瘡対策に関する施設内職員継続教育を実施する。また、施設外の専門家による相談、指導を積極的に活用することが望ましい。
6  介護老人保健施設は、前各項に定めるほか、入所者に対し、離床、着替え、整容その他日常生活上の世話を適切に行わなければならない。
7  介護老人保健施設は、その入所者に対して、入所者の負担により、当該介護老人保健施設の従業者以外の者による看護及び介護を受けさせてはならない。

(食事の提供)

第19条  入所者の食事は、栄養並びに入所者の身体の状況、病状及び嗜好を考慮したものとするとともに、適切な時間に行われなければならない。
2  入所者の食事は、その者の自立の支援に配慮し、できるだけ離床して食堂で行われるよう努めなければならない。
調理は、あらかじめ作成された献立に従って行うとともに、その実施状況を明らかにしておくこと。

食事時間は適切なものとし、夕食時間は午後6時以降とすることが望ましいが、早くても午後5時以降とすること。

食事の提供に関する業務は介護老人保健施設自らが行うことが望ましいが、栄養管理、調理管理、材料管理、施設等管理、業務管理、衛生管理、労働衛生管理について施設自らが行う等、当該施設の管理者が業務遂行上必要な注意を果たし得るような体制と契約内容により、食事サービスの質が確保される場合には、当該施設の最終的責任の下で第三者に委託することができること。

食事提供については、入所者の嚥下や咀嚼の状況、食欲など心身の状態等を当該入所者の食事に的確に反映させるために、療養室関係部門と食事関係部門との連絡が十分とられていることが必要であること。

入所者に対しては適切な栄養食事相談を行う必要があること。

食事内容については、当該施設の医師又は栄養士を含む会議において検討が加えられなければならないこと。

(相談及び援助)

第20条  介護老人保健施設は、常に入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。

(その他のサービスの提供)

第21条  介護老人保健施設は、適宜入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努めるものとする。
2  介護老人保健施設は、常に、入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。




  • 最終更新:2012-02-09 17:45:55

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