介護老人保健施設 運営に関する基準(その3)

○介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準
(平成十一年三月三十一日厚生省令第四十号)
○介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準について
(平成一二年三月一七日 老企第四四号)


第4章 運営に関する基準

(入所者に関する市町村への通知)

第22条  介護老人保健施設は、介護保健施設サービスを受けている入所者が次のいずれかに該当する場合は、遅滞なく、意見を付してその旨を市町村に通知しなければならない。
一  正当な理由なしに介護保健施設サービスの利用に関する指示に従わないことにより、要介護状態の程度を増進させたと認められるとき。
二  偽りその他不正の行為によって保険給付を受け、又は受けようとしたとき。

(管理者による管理)

第23条  介護老人保健施設の管理者は、専ら当該介護老人保健施設の職務に従事する常勤の者でなければならない。
ただし、当該介護老人保健施設の管理上支障のない場合は、同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとし、管理者が本体施設(介護老人保健施設に限る。以下同じ。)に従事する場合であって、当該本体施設の管理上支障のない場合は、サテライト型小規模介護老人保健施設、サテライト型特定施設又はサテライト型居住施設の職務に従事することができるものとする。

(管理者の責務)

第24条  介護老人保健施設の管理者は、当該介護老人保健施設の従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。
2  介護老人保健施設の管理者は、従業者にこの章の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。

(計画担当介護支援専門員の責務)

第24条の2  計画担当介護支援専門員は、第14条に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うものとする。
一  入所申込者の入所に際し、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等の利用状況等を把握すること。
二  入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討し、その内容等を記録すること。
三  入所者の退所に際し、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対して情報を提供するほか、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者と密接に連携すること。
四  第34条第2項に規定する苦情の内容等を記録すること。
五  第36条第2項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置について記録すること。

(運営規程)

第25条  介護老人保健施設は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
一  施設の目的及び運営の方針
二  従業者の職種、員数及び職務の内容
三  入所定員
四  入所者に対する介護保健施設サービスの内容及び利用料その他の費用の額
五  施設の利用に当たっての留意事項
六  非常災害対策
七  その他施設の運営に関する重要事項
①施設の利用に当たっての留意事項(第五号)
入所者が介護保健施設サービスの提供を受ける際に入所者が留意すべき事項(入所生活上のルール、設備の利用上の留意事項等)を指すものであること。

②非常災害対策(第六号)
第28条の非常災害に関する具体的計画を指すものであること。

③その他施設の運営に関する重要事項(第七号)
当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う際の手続について定めておくことが望ましい。

(勤務体制の確保等)

第26条  介護老人保健施設は、入所者に対し、適切な介護保健施設サービスを提供できるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。
介護老人保健施設ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、看護・介護職員等の配置等を明確にすることを定めたものであること。

夜間の安全の確保及び入所者のニーズに対応するため、看護・介護職員による夜勤体制を確保すること。また、休日、夜間等においても医師との連絡が確保される体制をとること。
2  介護老人保健施設は、当該施設の従業者によって介護保健施設サービスを提供しなければならない。ただし、入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。
調理、洗濯等の入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、第三者への委託等を行うことを認めるものであること。
3  介護老人保健施設は、従業者の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない。

(定員の遵守)

第27条  介護老人保健施設は、入所定員及び療養室の定員を超えて入所させてはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

(非常災害対策)

第28条  介護老人保健施設は、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知するとともに、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。

(衛生管理等)

第29条  介護老人保健施設は、入所者の使用する施設、食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品及び医療機器の管理を適正に行わなければならない。
次の点に留意すること。
①調理及び配膳に伴う衛生は、食品衛生法等関係法親に準じて行われなければならない。
なお、食事の提供に使用する食器等の消毒も適正に行われなければならないこと。

②食中毒及び感染症の発生を防止するための措置等について、必要に応じて保健所の助言、指導を求めるとともに、常に密接な連携を保つこと。

③特にインフルエンザ対策、腸管出血性大腸薗感染症対策、レジオネラ症対策等については、その発生及びまん延を防止するための措置について、別途通知等が発出されているので、これに基づき、適切な措置を講じること。

④医薬品の管理については、当該介護老人保健施設の実情に応じ、地域の薬局の薬剤師の協力を得て行うことも考えられること。

⑤空調設備等により施設内の適温の確保に努めること。

2  介護老人保健施設は、当該介護老人保健施設において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
 一  当該介護老人保健施設における感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会をおおむね3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。
感染対策担当者を決めておく必要があり、看護師であることが望ましい。

事故発生の防止のための委員会と一体的に設置・運営することも差し支えない。
 二  当該介護老人保健施設における感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための指針を整備すること。
 三  当該介護老人保健施設において、介護職員その他の従業者に対し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修を定期的に実施すること。
定期的な教育(年2回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず感染対策研修を実施することが重要である。また、調理や清掃などの業務を委託する場合には、委託を受けて行う者に対しても、施設の指針が周知されるようにする必要がある。

研修の実施は、職員研修施設内での研修で差し支えない。

研修の実施内容についても記録することが必要である。
 四  前三号に掲げるもののほか、別に厚生労働大臣が定める感染症又は食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順に沿った対応を行うこと。

(協力病院)

第30条  介護老人保健施設は、入所者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。
2  介護老人保健施設は、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。
①協力病院は、介護老人保健施設から自動車等による移送に要する時間がおおむね20分以内の近距離にあること。

②当該病院が標榜している診療科名等からみて、病状急変等の事態に適切に対応できるものであること。

③協力病院に対しては、入所者の入院や休日夜間等における対応について円滑な協力を得るため、あらかじめ必要な事項を取り決めておぐこと。

(掲示)

第31条  介護老人保健施設は、当該介護老人保健施設の見やすい場所に、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、協力病院、利用料その他のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない。

(秘密保持等)

第32条  介護老人保健施設の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2  介護老人保健施設は、従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
3  介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者等に対して、入所者に関する情報を提供する際には、あらかじめ文書により入所者の同意を得ておかなければならない。

(居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止)

第33条  介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該施設を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。
2  介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該施設からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。

(苦情処理)

第34条  介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関する入所者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情処理の体制及び手順等当該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、利用申込者又はその家族にサービスの内容を説明する文書に苦情に対する措置の概要についても併せて記載するとともに、事業所に掲示すること等である。
2  介護老人保健施設は、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3  介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関し、法第23条 の規定による市町村が行う文書その他の物件の提出若しくは提示の求め又は当該市町村の職員からの質問若しくは照会に応じ、入所者からの苦情に関して市町村が行う調査に協力するとともに、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
4  介護老人保健施設は、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。
5  介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関する入所者からの苦情に関して国民健康保険団体連合会が行う法第176条第1項第二号 の規定による調査に協力するとともに、国民健康保険団体連合会から同号 の規定による指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
6  介護老人保健施設は、国民健康保険団体連合会からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を国民健康保険団体連合会に報告しなければならない。

(地域との連携等)

第35条  介護老人保健施設は、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならない。
2  介護老人保健施設は、その運営に当たっては、提供した介護保健施設サービスに関する入所者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない。

(事故発生の防止及び発生時の対応)

第36条  介護老人保健施設は、事故の発生又はその再発を防止するため、次の各号に定める措置を講じなければならない。
 一  事故が発生した場合の対応、次号に規定する報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。
 二  事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、その分析を通じた改善策を従業者に周知徹底する体制を整備すること。
 三  事故発生の防止のための委員会及び従業者に対する研修を定期的に行うこと。
2  介護老人保健施設は、入所者に対する介護保健施設サービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
3  介護老人保健施設は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。
4  介護老人保健施設は、入所者に対する介護保健施設サービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。


(会計の区分)

第37条  介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない。

(記録の整備)

第38条  介護老人保健施設は、従業者、施設及び構造設備並びに会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2  介護老人保健施設は、入所者に対する介護保健施設サービスの提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならない。
 一  施設サービス計画
 二  第8条第4項に規定する居宅において日常生活を営むことができるかどうかについての検討の内容等の記録
 三  第9条第2項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録
 四  第13条第5項に規定する身体的拘束等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録
 五  第22条に規定する市町村への通知に係る記録
 六  第34条第2項に規定する苦情の内容等の記録
 七  第36条第3項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
介護保健施設サービスの提供に関する記録には診療録が含まれるものであること。ただし、診療録については、医師法第24条第2項の規定により、5年間保存しなければならない。





  • 最終更新:2012-02-09 18:43:58

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