訪問介護 運営に関する指定基準(後編)

○指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準
(平成11年3月31日厚生省令第37号)
○指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について
(平成11年老企第25号)


第2章 訪問介護

第4節 運営に関する基準

(指定訪問介護の基本取扱方針)

第22条  指定訪問介護は、利用者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その目標を設定し、計画的に行われなければならない。

2  指定訪問介護事業者は、自らその提供する指定訪問介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(指定訪問介護の具体的取扱方針)

第23条  訪問介護員等の行う指定訪問介護の方針は、次に掲げるところによるものとする。
 一 指定訪問介護の提供に当たっては、次条第一項に規定する訪問介護計画に基づき、利用者が日常生活を営むのに必要な援助を行う。
 二 指定訪問介護の提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、利用者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行う。
 三 指定訪問介護の提供に当たっては、介護技術の進歩に対応し、適切な介護技術をもってサービスの提供を行う。
 四 常に利用者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、利用者又はその家族に対し、適切な相談及び助言を行う。

(訪問介護計画の作成)

第24条  サービス提供責任者(第5条第2項に規定するサービス提供責任者をいう。以下この条及び第28条において同じ。)は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、指定訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問介護計画を作成しなければならない。
2 訪問介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成しなければならない。
3 サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成に当たっては、その内容について利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得なければならない。
4  サービス提供責任者は、訪問介護計画を作成した際には、当該訪問介護計画を利用者に交付しなければならない。
5 サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成後、当該訪問介護計画の実施状況の把握を行い、必要に応じて当該訪問介護計画の変更を行うものとする。
6 第1項から第4項までの規定は、前項に規定する訪問介護計画の変更について準用する。

【補足】訪問介護計画は、2年間保存しなければならない。

(同居家族に対するサービス提供の禁止)

第25条  指定訪問介護事業者は、訪問介護員等に、その同居の家族である利用者に対する訪問介護の提供をさせてはならない。

(利用者に関する市町村への通知)

第26条  指定訪問介護事業者は、指定訪問介護を受けている利用者が次の各号のいずれかに該当する場合は、遅滞なく、意見を付してその旨を市町村に通知しなければならない。
 一  正当な理由なしに指定訪問介護の利用に関する指示に従わないことにより、要介護状態の程度を増進させたと認められるとき。
 二  偽りその他不正な行為によって保険給付を受け、又は受けようとしたとき。

(緊急時等の対応)

第27条  訪問介護員等は、現に指定訪問介護の提供を行っているときに利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、速やかに主治の医師への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならない。

(管理者及びサービス提供責任者の責務)

第28条  指定訪問介護事業所の管理者は、当該指定訪問介護事業所の従業者及び業務の管理を、一元的に行わなければならない。
2 指定訪問介護事業所の管理者は、当該指定訪問介護事業所の従業者にこの章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとする。
3 サービス提供責任者は、第24条に規定する業務のほか、次の各号に掲げる業務を行うものとする。
 一 指定訪問介護の利用の申込みに係る調整をすること。
 二 利用者の状態の変化やサービスに関する意向を定期的に把握すること。
 三 サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者等と連携を図ること。
 四 訪問介護員等に対し、具体的な援助目標及び援助内容を指示するとともに、利用者の状況についての情報を伝達すること。
 五 訪問介護員等の業務の実施状況を把握すること。
 六 訪問介護員等の能力や希望を踏まえた業務管理を実施すること。
 七 訪問介護員等に対する研修、技術指導等を実施すること。
 八 その他サービス内容の管理について必要な業務を実施すること。

(運営規程)

第29条  指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。
 一 事業の目的及び運営の方針
 二 従業者の職種、員数及び職務の内容
 三 営業日及び営業時間
 四 指定訪問介護の内容及び利用料その他の費用の額
 五 通常の事業の実施地域
 六 緊急時等における対応方法
 七 その他運営に関する重要事項

運営規程

同一事業者が同一敷地内にある事業所において、複数のサービス種類について事業者指定を受け、それらの事業を一体的に行う場合においては、運営規程を一体的に作成することも差し支えない。

*利用料その他の費用の額(第四号)

「利用料」としては、法定代理受領サービスである指定訪問介護に係る利用料(1割負担)及び法定代理受領サービスでない指定訪問介護の利用料を、「その他の費用の額」としては、居宅基準第20条第3項により徴収が認められている交通費の額及び必要に応じてその他のサービスに係る費用の額を規定するものであること。

通常の事業の実施地域(第五号)

 通常の事業の実施地域は、客観的にその区域が特定されるものとすること。なお、通常の事業の実施地域は、利用申込に係る調整等の観点からの目安であり、当該地域を越えてサービスが行われることを妨げるものではないものであること

(介護等の総合的な提供)

第29条の2  指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の事業の運営に当たっては、入浴、排せつ、食事等の介護又は調理、洗濯、掃除等の家事(以下この条において「介護等」という。)を常に総合的に提供するものとし、介護等のうち特定の援助に偏することがあってはならない。

居宅基準第29条の2は、基準該当訪問介護事業者には適用されない。

(勤務体制の確保等)

第30条  指定訪問介護事業者は、利用者に対し適切な指定訪問介護を提供できるよう、指定訪問介護事業所ごとに、訪問介護員等の勤務の体制を定めておかなければならない。
原則として月ごとの勤務表を作成し、訪問介護員等については、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、サービス提供責任者である旨等を明確にすること。
2 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等によって指定訪問介護を提供しなければならない。
3 指定訪問介護事業者は、訪問介護員等の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない。
特に、訪問介護員のうち、3級課程の研修を修了した者については、できる限り早期に2級課程の研修若しくは介護職員基礎研修を受講させ、又は介護福祉士の資格を取得させるよう努めなければならない。

(衛生管理等)

第31条  指定訪問介護事業者は、訪問介護員等の清潔の保持及び健康状態について、必要な管理を行わなければならない。
2 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所の設備及び備品等について、衛生的な管理に努めなければならない。

特に、指定訪問介護事業者は、訪問介護員等が感染源となることを予防し、また訪問介護員等を感染の危険から守るため、使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備えるなど対策を講じる必要がある。

(掲示)

第32条  指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、訪問介護員等の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない。


(秘密保持等)

第33条  指定訪問介護事業所の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事業所の従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
3 指定訪問介護事業者は、サービス担当者会議等において、利用者の個人情報を用いる場合は利用者の同意を、利用者の家族の個人情報を用いる場合は当該家族の同意を、あらかじめ文書により得ておかなければならない。

(広告)

第34条  指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所について広告をする場合においては、その内容が虚偽又は誇大なものであってはならない。

(居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止)

第35条  指定訪問介護事業者は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、利用者に対して特定の事業者によるサービスを利用させることの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。

(苦情処理)

第36条  指定訪問介護事業者は、提供した指定訪問介護に係る利用者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情処理の体制及び手順等当該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、利用申込者又はその家族にサービスの内容を説明する文書に苦情に対する措置の概要についても併せて記載するとともに、事業所に掲示すること等である。

2 指定訪問介護事業者は、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3 指定訪問介護事業者は、提供した指定訪問介護に関し、法第23条 の規定により市町村が行う文書その他の物件の提出若しくは提示の求め又は当該市町村の職員からの質問若しくは照会に応じ、及び利用者からの苦情に関して市町村が行う調査に協力するとともに、市町村から指導又は助言を受けた場合においては、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
4 指定訪問介護事業者は、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。
5 指定訪問介護事業者は、提供した指定訪問介護に係る利用者からの苦情に関して国民健康保険団体連合会が行う法第176条第1項第二号 の調査に協力するとともに、国民健康保険団体連合会から同号 の指導又は助言を受けた場合においては、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
6 指定訪問介護事業者は、国民健康保険団体連合会からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を国民健康保険団体連合会に報告しなければならない。

【補足】苦情の内容等の記録は、2年間保存しなければならない。

(事故発生時の対応)

第37条  指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生した場合は、市町村、当該利用者の家族、当該利用者に係る居宅介護支援事業者等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 指定訪問介護事業者は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。
3 指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問介護の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。

【補足】事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録は、2年間保存しなければならない。

① 利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生した場合の対応方法については、あらかじめ指定訪問介護事業者が定めておくことが望ましいこと。
② 指定訪問介護事業者は、賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくか、又は賠償資力を有することが望ましいこと。
③ 指定訪問介護事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。


(会計の区分)

第38条  指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに経理を区分するとともに、指定訪問介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない。

(記録の整備)

第39条  指定訪問介護事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2  指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問介護の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならない。
 一 訪問介護計画
 二 第19条第2項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録
 三 第26条に規定する市町村への通知に係る記録
 四 第36条第2項に規定する苦情の内容等の記録
 五 第37条第2項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録




  • 最終更新:2012-02-09 00:25:21

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